名古屋大学 大学院生命農学研究科
耕地情報利用研究室
イネNested Association Mapping
Nested association mapping(NAM、Yu et al. 2008, Genetics 178: 539-551)は、次世代型の遺伝子マッピング手法の一種であり、共通親(common parent)と複数の多様性供与親(diversity donor parents)の交雑に由来する組換え自殖系統の集まりを用いることで、従来型biparental集団のマッピング精度とGWAS解析のアレル多様性の両方の利点を持ちます。
本研究室では、20品種以上の世界のイネ品種を多様性供与親とし、日本型イネ台中65号を共通親に持つNAM集団を作出しており、最終的には1800系統以上からなるNAM集団として確立しました。次世代DNAシーケンサーにより得た遺伝子型情報と形質情報を組み合わせて解析することで、遺伝子発見およびゲノム塩基配列に基づく形質予測の高度化を目指した研究を進めています。
論文
博士論文
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Kitony JK (2021) Development and utilization of nested association mapping population in rice(イネnested association mapping集団の開発と利用)
学会発表
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Kitony J, Reyes V, Sunohara H, Tasaki M, Nishiuchi S, Doi K (2021) Nested association mapping using aus-derived population of rice. 日本育種学会第139回講演会
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國枝真依, 春原英彦, 田崎三香子, 西内俊策, 土井一行 (2018) 台中65号とausイネの交雑後代で見出された分離ゆがみの遺伝解析. 日本育種学会第134回講演会